恋を持たないひとつの生き方。

アロマンティック・アセクシャルと言うセクシャルマイノリティの30代未婚女子の独り言です。

うたプリと私。

うたプリ…正式名称「うたの☆プリンスさま♪」は、2010年6月に発売されたPSP乙女ゲーム(女性向け恋愛シナリオゲーム)のことである。作曲家を目指す主人公とアイドルを目指す少年たちがアイドル養成校の「早乙女学園」で出会い、デビューを目指す物語から始まる。以降、リメイク版やファンディスク、続編、ゲーム内のリズムゲームだけを集めたもの、ハードをPS VITAに移行した移植版…何本ものソフトが発売された人気シリーズであり、TVアニメも4期まで制作され、PSP版とは異なるリズムゲームのアプリもリリース、9周年を迎えた今年も、ピーク時よりは勢いを落とすもののまだまだ十分な人気を誇るコンテンツである。
9周年の今年、ファンが長年待ち続けた劇場版が公開し、しかもその内容は物語が一切無く全編ライブという異色ながらも最高の作品となっていて、公開4週を超えても前週比を落とさない。初週には存在しなかった「アンコール」が2週目から週替りで4パターン公開され(6週目は2週目のアンコールに戻るらしい。また観たかったから嬉しい)、何度も足を運ぶファンが多いのも理由の一つである。ファンではない人から見たら「金儲けのために出し惜しみをしている、セコい」と映るかもしれないが(実際オタクじゃない友だちに言われた)ファンからすれば「どうせ何度も見に行くのだから、その都度楽しみがあって最高」なので心配ご無用だ。
生コンテンツとして、日常パートやゲーム本編では描ききれなかったアイドル同士のエピソードやサイドストーリーを収録したドラマCDや、アイドルの彼らが出演した演劇作品のドラマCD、ケイタマルヤマ氏がアイドルたちのためにデザインし、実際に制作された衣装展、アイドル一人ひとりのツイッターアカウントもあり、アイドルたちが「実在している」世界に浸れる仕掛けが沢山ある。『実在している』という概念の一方で、演者であるいわゆる『中の人』が実際に生歌やダンスのパフォーマンスをしてくれるライブも存在する。これがまた最高なのだが、語り始めると本当に止まらないので割愛する。
 
さて、そんな訳で私はうたプリというコンテンツが大好きである。
私はかれこれ6年、彼らのファンとして彼らの様々な活動を応援してきた。そしてこれからも引き続き応援したいと思う。
 
アニメシリーズやドラマCD、リズムゲームはとても楽しんでいるのだが、実は私には大変な欠点がある。このシリーズの原作とも言える「乙女ゲーム」が、非常に苦手なのである。
 
一応、主人公のデフォルトの名前は存在するし、ビジュアルもきちんと描かれている(アニメのヒロインはまさにこの子である)
自己投影せずに主人公とアイドルの恋愛模様を第三者として応援していくスタイルでプレイするやり方で全く構わないのだが、乙女ゲーはプレイヤーがストーリーを進める上で、都度選択肢が与えられて、その回答によって恋愛値が加算されていき、その数値によって異なるエンディングへと分岐していく。
 
この選択が、本当に難しい。
 
そもそも私は恋愛感情が乏しいので、どういう選択をしたら良いのか本当に全然わからない。その上、アイドルたちはTVシリーズでは描かれていない複雑なバックグラウンドを抱えていて、一筋縄ではいかない。「え?!それが(恋愛エンドを目指す上での)正解なの?!」という解答も結構ある。
基本的に各アイドル毎に3パターンのエンディングが存在し、全てを見ようと思ったら3周しないと全てのエンディングを回収できない(一度クリアするとチャプター選択が出来るので、途中から恋愛値を調整する方法もあるが、結局シナリオを読もうと思ったら時間はそこそこ必要である)それから、折角主人公のビジュアルが存在するのに、プレイヤーに向かって愛を囁いて来るシチュエーションもある(乙女ゲーってそれを含めて楽しむものだと思うんだが)
 
この「愛の言葉を囁かれる」のがマジで無理!!!!!!
 
なんでこんな苦痛なの…?なんでときめいたり出来ないの?!
待って、そもそも…みんなときめくのこれ…?え…私無理なんだけど…?
 
当時はアセクシャルなんてものを知らなかったので、自分がおかしいのか、楽しみ方が間違ってるのか全然分からなくて、とりあえず苦痛だった…今ならわかる。私は恋愛感情を向けられるのがNGだから、「主人公=プレーヤー≒私」っていう状況で無理やり恋愛させられてるのが苦痛だったんだね!!!!解決した!!!お前もう乙女ゲーやるな!!!!!
 
でもね…プリンスたちと恋愛とか全然したくないんだけど、シナリオは読みたくなることがあってね…恋愛以外にも藻掻き苦しんで成長していく過程が描かれてるから…今、トラウマになってるDebutっていう作品をプレイするか心の底から悩んでる…なんで自らトラウマの原因に突っ込んでいこうとしてるのか……。わたし嫌なことはバンバン忘れてしまうので、結構記憶が飛んでて。。。「心に傷を負った」という記憶しかないんだ…友達から「誰々のあのエピソードが…」って言われても思い出せないんだ…南無三。
 
あとね…うたプリ最大の魅力って、プリンスのビジュアルじゃなくて「楽曲の良さ」なんだ…。Debut曲…めちゃくちゃ良いんだ…(おとなしく音源聴くかMUSICをやってろ)
 
そんな訳で、映画があまりに素晴らしくてプリンスたちの軌跡に思いを馳せ、数年ぶり?にPSPを充電したものの、電源が入れられないまま早2週間…
私はDebutをプレイできるのか?!(知らんがな)
 
ぶつくさ言ってるけど、ハードをSwitchへ移行してこれから発表される完全新作ソフトは勿論買うつもりだ。きっとまた血の涙を流しながら、画面と主人公越しに愛を囁いてくるプリンスたちに翻弄されるんだと思う。甘い言葉たちを喜べない私を許しておくれ…ツンデレではなくそういうセクシャリティなんだ…ゲームやらないとへぶんずの人たちの心の闇がわからんから頑張るよ、私…(プリンスたちは大体闇を抱えていたり秘密を抱えていたりする)(私の大好きな美風藍ちゃん様はロボ)(さらっとネタバレ)(さすがにもう良いよね、ゲーム出てから7年も経ってるもんね)
 
 
散々色々言ってますが、私はうたプリが大好きです。
公開7週目を迎える大ヒット上映中の「劇場版 うたの☆プリンスさま♪マジLOVEキングダム」をよろしくお願いいたします!!