恋を持たないひとつの生き方。

アロマンティック・アセクシャルと言うセクシャルマイノリティの30代未婚女子の独り言です。

カミングアウトについて

ずっと悩んでいる事がある。
カミングアウトをするか否かについてだ。
 
一応、自分としては今はアロマンティック/アセクシャルを自認している。
恋愛感情が無く、他人への性的な欲求も無い。
 
まあ、恐らく今後も変わらないとは思うのだけれど、色々と考えると、これを他人へ宣言するメリット・デメリットの天秤がどちらにも強く傾かないのである。
 
以下、足りない頭で考えるメリット・デメリット
 
《カミングアウトするメリット》
・恋人を作れというお節介を一刀両断できる
・結婚しない理由として挙げられる
・友人たちにこれ以上要らない心配を掛けずに済む
・ついでに紹介も断れる
・独り身であることを見下されたり同情されずに済む(かどうかは微妙だな…)
 
《カミングアウトするデメリット》
・まず、そもそもアロマンティック/アセクシャルが伝わらない
・言葉で説明しても伝わらない
・「まだ出会ってないだけ」と余計に諭される
・不思議な生き物を見る目で見られる
・同性愛以上に理解されない
・今後、もしかしたら本当に「出会う」かも知れない「誰か」を拒絶してしまう可能性がある
 
 
現状、恋愛感情は無いのだけれど、別に恋愛に対する嫌悪は無いので、もし今後出会う誰かに寄って、私が恋を手に入れられるかも知れないなら、それはそれで悪いことじゃないと思っているので、全面的に他人を拒絶したい訳ではない。
(ただ、割と男性に対する苦手意識が強く、また恋愛に届かずとも好意を向けられると凄く居心地が悪くなってしまうので、やはり難しいかな…とは思っている)
虚勢を張って、無理に1人で生きていきたいとも思っていない。
30を越えているので、両親の老後も、自分自身の経済面も健康面でも、不安は尽きないのだから。
 
話が逸れた。
とにかく、同性愛以上に複雑で、形がなくて、自認しか存在しないこのセクシャリティは、他人に知ってほしいと同時に、自分がそうであると積極的に発信するメリットもあまり感じられない厄介なセクシャリティだと思ってる。答えが出る気がしない。
 
と言いつつ、アセクシャルの名詞を出さずに、やんわりと母には現状、恋愛に興味が持てないこと、結婚の意志が無いことは伝え済みである。年末年始に親戚が集まると恒例の話題「いつになったら結婚するのか」を母から振られないために先手を打ったのだ。
納得してくれたかはわからないが、結婚を勧められるのがとても負担だと言う私の気持ちは伝わったと思いたい。
孫を見せてやれない申し訳無さは若干あるものの、妹がすでに結婚して子宝にも恵まれているのでそっちを全力で可愛がって、支援してあげて欲しい。
 
友人には、3人だけ伝えた事がある。
1人はレズビアンの子。セクマイの当事者だから凄くフラットに、ただ聞いてくれた。
もうひとりは、打ち明けた時に「私もそうかも」と共感していた。彼女の話を聞くと、確かに親しいものを感じた。
最後の1人は「まだ出会ってないだけだよ。きっと違うよ」と恐らく本当に善意で私のことを案じてくれた上で、否定した。
 
少しの悲しさと、これがきっと普通の反応なのだろう、と腑に落ちた。
 
別にアセクシャルを否定した彼女に対して、マイナスの感情は一つも湧いてこない。今でも彼女のことは友人として好きだし、これからも付き合い方を変えるるもりは無い。
ただ、やはり理解されにくいセクシャリティなんだな…という事実を突きつけられただけだ。
 
 
人にどう思われても、私は私でしか無いから、これといって態度を変えるつもりはないのだけれど、今のところ、焦ってカミングアウトすることでもないな…という気持ちで過ごしている。
 
 
この問題についてはもう少しゆっくり考えて、必要な時に必要な相手にだけ伝えれば良いかな、と思う。